ゆく先を想う

2017年1月25日

 
MITTANの代表作ともいえるロングジャケットが届きました。
 

 

 

今の世の中似たものは有れど、かたちを成すまでの思想から、そのそぎ落とされた佇まいまで、
比類の無い存在であると考えています。
 
入荷すればかならず完売してしまう品ですが、実は毎シーズンであまり提供しすぎないように
お願いする数を絞って、数点だけ入れるようにしています。
 
この先も永く大切に大切にお店で扱っていきたいんです。
それは、その衣服のゆく先を案ずることにも繋がります。
 
MITTANの衣服は、着込んでいく上では避けられないダメージをリペアしてもらうことが出来ます。
染め直し、ほつれの繕い、丈などの調整、などなど。
 
そういった付き合い方をしていく中で、よりその人のものとなり、魅力がましていゆくもの。
手間や時間を惜しまず、そういった感覚が身についている方々に手渡していきたいと常々考えています。
 
一時の気分や、人と少し違う変わったものをという感覚で選ばれる予感がある時は静かに阻止しています。
この服が箪笥の肥やしになったり、指先だけでどこかの顔も知らない誰かに売られていってしまうことがあったらほんとに悲しいし、もったいないから。
そんなことになるなら、買い戻して、手直しをして、大切に着ていってくれる人に手渡したいとさえ思います。
 
三年目にして、より一層の魅力と着心地が増している自前の一着を眺めていると、そんな気分になりました。
 

 
服屋が、お客さんの手に渡った後にまで想いを馳せることは、はたして傲慢なことなのでしょうか?