わよりの桂山くんとの付き合いはそこまで長いわけではない。
僕がわよりのことを知ったのはインスタグラム上で、何やら良い空気感の古物や作家ものを扱うお店が出来たようだなと、そんなことを思い、フォローをしたのを憶えている。
お店(旧店舗)の立地的にも、一宮市という個人的にも色々馴染みのある街だったので、きっとその内に伺うだろうと考えていた。
そうこうしているうちに、しばらく経って、桂山くんがAUTHORに訪ねてきてくれた。
彼が最初から名乗った訳ではないが、話の流れから彼がわよりの店主であると教えてくれて、驚いた。
彼に会ったことのある人ならわかると思うが、比較的に童顔で、実際年齢的にも若めであるので、そんな相対する彼と、Web上で拝見していたわよりに並ぶ品物の渋みと艶のあるセンスとが、すぐには結び付かなかった。
今となっては彼と僕との年齢差なんて同世代の部類に入るんだろうと思うが、彼はその時はまだ20代の後半で、少なくとも自分の周りのその世代にあのもの選びと見せ方ができる人はおらず、もちろん自分自身がその年齢の時(まだお店を始めていなかった)にああいった知識と審美眼はまったく持ち合わせていなかった。
(もちろん今だって無い)
“新世代”、と、そんな言葉が浮かんだものである。ちょっと打ちひしがれた。
それから少しして、僕もわよりを訪ね、その落ち着いたお店の雰囲気と居並ぶ古物などに実際に触れ、あぁ、こういう選び方と提案をするお店はこの地方にはいままでなかったな、さすがだぜ新世代、、、と改めて思いました。そこからの付き合い。
と、云っても実はわよりの実店舗はその一回しか脚を運べていない。
彼からは色々と買ってはいるのだけれど、Webに上がる品物で気になったものがあったら連絡を入れたり、僕からこんなの無い?と聞いたり、あと、彼が買い付けの帰りにこんなの見つけましたと寄ってくれて、気に入ったらそのまま購入したり。
贅沢にも主に、行商スタイルでのお買い物をさせてもらっている。
でも、なんかそんな感じも、クラッシクなスタイルでいいなと楽しませてもらっています。
また、お買い物以外でも、AUTHORで企画展をやるときに、その展示の演出に添えたい古民具や資料、陳列用に什器として古物を貸し出してもらっている。
とてもとても助かっています。
そんな関係が続く中で、彼がお店の移転を考えて物件を探していること、そして一宮の店舗を今年の春で一旦クローズすると聞いた。
それが、今回のわよりによる展示に繋がるのである。
その2につづく
わよりで選んだもの①/編布用の桁もしくは筵・草鞋編み機