10月の営業予定です。
朝な夕なはすっかり秋ですね。
この時期は暑かった時期の疲れが出やすいと行きつけの整体の先生が来るひと来るひと全員に言っていたので、
きっとそうなのでしょう。
店主は歩けといつも言われるので、きっとそうなのでしょう。
日中暑いからといって半袖で出かけてはさすがにダメですよ。ご自愛ください。
せめて軽い羽織だけでも持ち歩きましょうね。
それでは秋もお店でお待ちしております。
かの民芸運動の祖である柳宗悦は、ものの持つ美しさを引き出すための有効な手段として、
陳列・展示に重きを置いたそうな。
それ自体が一つの技芸であり創作であり、展示品と共に空間すべてが作品となるように心血をそそいだ。そうな。
さて、それはお店にもいえます。
すでにそれぞれの作り手より、素晴らしい品々が届いています。
ただ、それだけで魅力を放つ品々を、その空間を司る店人がどのように魅せるかはとても大切で、責任を伴う作業です。
大きなところを言えば、そもそも器となる建物、空間からはじまり、
什器、照明、小道具、ほにゃらら、に至るまで、数限りない点と点を繋げていきます。
しかし、いくら逆立ちしようが未熟なわたし。
日々、試行錯誤の連続です。
4年目を迎えるにあたって今一度、それぞれのものはちゃんと魅せれているのかと立ち返って、出来うることからこつこつとする日々を過ごしています。
什器を作ったり
板を塗ったり
吊るしたり
照らしたり
いろいろと。
答えは無いけれど、それぞれのものと、その向こう側にいる、お店を信じて託してくれた作り手の方々に報いれるように。
なにかを期待して脚を運んでくれる方々に楽しんでもらえるように。
ひとまず、今できるカタチとなっています。
といってもやはり試行錯誤の日々は終わらず、変化はあると思いますが、この秋のAUTHORを是非見に来てやってください。
2014年9月11日にAUTHORが始まってから今日で丸三年となりました。
なんでもそうですが、まず三年といろんな人たちがいっていました。
いいこと、たいへんなこと、おもいもよらないこと、決断することが、ありました。たぶんこれからも。
気持ち的にはやっと一年生のはじまりなんじゃないかなと感じています。
お店という存在を、現実の中で続けていくということは、記憶として残り続けていくこと、なんだと思います。
忘れ去られてしまったら、そこにあっても、そこにないのと一緒ですから。
それはもちろん、遊びに、買い物に、訪れてくれる方々、遠くにいても気にかけてくれる方々、の記憶の中にです。
誰かの、めまぐるしい日々の生活の中で、偶にでもAUTHORのことを思い出してくれる瞬間が訪れることではじめて、確かにそこにあるお店として存在がたちのぼってきます。
でも、それって、色んなものが溢れる世の中において、なかなか奇跡的なことなんじゃないかと、ふとした瞬間に思うのです。
わたしたちだけでは、お店はお店として成り立たない。
取り巻くすべてに感謝し、記憶に残り続けられる姿で、”確かにそこにある”ことが恩返しに繋がると信じ、今日からまた。
という、文章を書いている途中でも、遊びに来てくれた馴染みの方々。
「おお、こんにちは!」といつものように挨拶を交わす。
みんなが、”ここ”のことを記憶してくれているのと同じように、僕もまた、みんなと初めて逢った時のこと、この場所でどんな話をしたのか、ひとつひとつを
記憶しています。
あぁ、そうか、こういう日々の為に、今までがあり、これからがあるのだなぁと。また今日も思ったことをひとつ記憶。
ほんとうにありがとうございます!!、という想いを忘れない為に。
ありがとう。
Moi !!
と久しぶりに挨拶を交わしました。
ちょうど一年ぶり、TAKKUのヘイディによる北欧手芸のワークショップを開催します。
今回の日程は一日だけですが、午前と午後の2部制で、それぞれが別の内容でのワークショップを予定しております。
概要は下記をチェックです。
TAKKU北欧手芸ワークショップ(2部制)
日時:10/15(sun)
講師:ヘイディ・フースコ
午前の部:ピルタナウハ織リボンWS
午後の部:トナカイ革サーミブレスレットWS
午前の部(10:00 ~ 12:00) ピルタナウハ織リボンWS
定員:8名 参加費:¥4800+tax
・お持ち込み道具(織り機)有り/無し/購入 ※貸出しています。
・お好きな基本色:白と赤/ 白と黒
※織機の購入希望の方、販売価格は8800円です。
ピルタナウハはチロリアンデープのように模様を織ったリボンで、フィンランドの民族衣装のベルトや靴ひもなど、日用品や装飾品として利用されていたものです。小さな木製の道具「ピルタ」をヒザに挟んで織っていきます。
織のパターンは色々ありまして、今回作る模様は「TANHU」(読み:たんふ、意味:フォークダンス)と言います。
午後の部(13:00 ~ 15:00) トナカイ革サーミブレスレットWS
定員:10名 参加費:¥6500+tax
お好きな色:白/キャメル/ダークブラウン/黒
過去2回とも好評で、定員を大幅に超えるお申込みのあったトナカイ革とピューター糸を編み込んだサーミ族のブレスレットのワークショップ。
今回は新たなデザインとなります。
本日よりご予約の受付開始です。
ご予約方法は①店頭にて直接②メールにて③お電話にて、のいずれかでお願いいたします。
Tel:052-508-8286 / mail:contact@author-web.com
ご予約に際して以下の項目をお知らせください。
1.ご希望のWS /
2.参加予定人数 /
2.WSで使用するご希望の糸または革のお色 (ピルタナウハ織をご希望の方は道具の有無、織り機の購入希望の有無もお願いいたします)
3.お車の有無
※弊店前は数台の駐車スペースがございますが、当日は満車になることもありますので、複数人でのご参加の方は乗り合わせでのご来店をお願いします。
※駐車場に関してはご予約順にご案内とさせていただきます。満車の場合はAUTHORのある建物に隣接のコインパーキング等をご利用ください。
昨日よりTAKKUのホームページでの告知が始まっているので、既にご予約が入りだしております。
気になる方、前回ご参加できなかった方、お早めにご予約くださいませ!
いつも、ふらっとやってくるAULICOのもの。
春にも好評だったコットンのニットです。
ロングTだとあれだし、スウェットだとあれだな、という気分の時にぴったりです。
AULICOの服は、染め師が染めること、洗うことにちょうどいい糸、生地を選ぶので、
そこがちょっとの違いを生みます。
洗濯を繰り返し長く着込み変化を楽しむということに対して、まじめに取り組んで作っています。
もちろん、着込みたい服は着心地も見た目も良くなきゃあれなのでその点もぬかりなく。
夕方がきもちい頃合い。
ふらっと散歩にいきたくなる服です。
→ clothing
先にご紹介したLes Racines du Cielのコレクションに使われているベビーアルパカについて、
補足の内容になります。ご興味ございましたらお付き合いいただければ。
アルパカとは南米アンデス高原、海抜4000メートル前後の高地に生息するラクダの仲間で、インカ帝国以前からその良質な毛が珍重され家畜として人の歴史と共に歩んできました。
アルパカの生息する土地は、夏は40度、厳冬期はマイナス20度という過酷な環境で、その中で生き抜く為に、外気温に適応する機能を備えています。
毛質は非常に軽く柔らかで繊維として長く、糸にした際の毛羽が少なくカシミヤと同等に絹のように滑らかで毛玉ができにくいとされています。そして、保温率はウールの8倍と言われています。
また、水に対する耐性が強く、汚れが付きにくいので、適切な洗濯方法をとれば、家でも難なく手入れすることができます。
ベービーアルパカはその中でも、生後3ヶ月以内の柔らかい毛だけを櫛ですいて刈り取ったもので、もちろんその個体においては生涯で一度きりしか採取できない貴重なもので、もともと産毛量の少ないアルパカ毛の中でも1割に満たないものです。そのため数ある獣毛繊維のなかでも最高品の一つとされています。
と、ここまではインターネット等でも知ることができる情報です。
列挙した以外にも諸説あるのですが、おおよそこのような概要です。
さて、ここからは店主が触れて直に感じたことをつたない語彙力の中で書き連ねていきます。
今季、当該ブランドを迎い入れるに当たって、これは他のものを選ぶ際にも共通するのですが、いい気配を感じました。
気配ってなんぞや、となると思うのですが、明確には説明できません。お、なんかいいぞ、という印象です。
いつもそうなのですが、バイイングに際して、展示会などで最初にいただく資料などに記載のある蘊蓄うんぬんにはほとんど目を通しません。
そのものに触れたときにどう感じたか、と会場で説明してくださる方の言葉に宿る想い、あと、もちろん袖を通してどうだったかです。
そして、その気配を感じたものに対して、自分なりに考えます。何がそのように感じさせるのだろうと。
今回は明確に素材に対して、これまでに自身が出逢い体感してきたものとの違いを感じました。
頭の中で、ウールと比べると艶があり、先にも書きましたが絹のような滑らかな質感を感じ、手にした感覚ではカシミヤよりくったり重さを感じました。
それは実際の物質的な重さというよりも、糸そのものの存在感から感じるもので、比べてみるとカシミヤと比べても遜色ない軽さです。
上質な素材感、という表現は手垢の付いたなんともチープな感想ですが、まさにその通りな印象です。
案内していただいたギャラリーの方の説明で、はじめてそれがベビーアルパカ100%なのだと知り、ベビーアルパカ100%のニット生地はお恥ずかしくも自身では初めて触れたものだったので、だからなのかと腑に落ちました。
ことデザイン面に関しても、とてもいい印象で、ファッションブランドにありがちな無駄なディティールは無く、いい意味で簡素で、素材の力を邪魔しない、引かれたデザインでした。
これは同ブランドの掲げる、徹底したエシカルな思想のもと、貴重な素材を使うに当たって、無駄な在庫を作らず、更新され消費されていく流行とは距離を置き、永続的なベーシックとして、すべての着る人にとってのセカンドスキンになりうる存在になって欲しいとい想いの表れなのだと感じました。
結果的に決め手はそこだったのかもしれません。
お金を出せばいくらでも貴重でいい素材は使えます。いい素材を使えば物質的に優れた衣服は製作できるでしょう。
でもそうではない、限られた資源を利用するにあたっての慎ましさや責任感、そういった想いは作られるものに表れます。
そういった面を含めての、いい気配だったのかもしれません。
もうひとつ、セーター類とは別にショールのことを。
これがまた、明確に上質さを感じました。
こちらはベビーアルパカではないのですが、
チリの山奥にてアルパカの放牧を生業とする家族単位の村で、産毛、手織りされたものです。
アルパカという種は多色で、こちらに使われている毛は、染色を施していない自然な原毛ままの色なんです。
その為、加工によるダメージの無い、素材のそのものの艶や、ぬめりのある滑らかさがあります。
アルパカの有色種は元々、染色での加工が難しいという理由で、各国のアパレルメーカーにおいては白色の毛を選ぶことが多く、現地でも畜産を控える流れがあるらしく、このままだと絶滅も危惧されているようです。
その為、このように二次加工無しの毛を使用したものが製品として作られることは珍しいようです。
こちらもデザインにおいて、非常にプレーンで、だからこそダイレクトに素材の力が伝わってきます。
古くからアルパカと共に生き、生業としてきた村の人たちに伝わる、ありのままのものづくりに宿る魅力に勝るものはないのかもしれません。
質の良い獣毛の布製品は、確かな手入れでほんとうに永く使い繋げていくことができます。
こういったものを、親から子、大げさではなく孫の代まで、伝えていくことが素敵なことだと感じます。
さて、長々と書き連ねてしまいましたが、お付き合いありがとうございました。
実際には一見に勝るものは無しなので、ご興味湧きましたら、ぜひお店で触れてみてください。
フランスのニットブランド”Les Racines du Ciel”をご紹介します。
世界各地の原産地に残る伝統的で環境負荷の少ない技術、製法を、現地とのフェアトレード契約により、ものづくりに取り入れているブランドです。
秋冬には主な素材としてベビーアルパカを100%使用しています。
ベビーアルパカとはその個体において、生まれて初めて刈り取った毛を使用した最高品質のもので、
驚くほどの軽さと柔らかさ、また糸にした時の強さとしなやかさを兼ね備えています。
触った瞬間に違いを感じてもらえると思います。
こちらのブランドは通常女性の為の服なのですが、ラウンドネックのものとカーディガンは男性にもお召しになっていただけるサイズも選びました。
店主(176cm)くらいの体型の方まで着れるとおもいますよ。
そして、今回の入荷でもっとも特別なものがこちらのショールです。
糸の段階での染色を一切していない、原毛ままのナチュラルブラックの糸をつかい、現地の村に残る織り機で手織りされたものです。
アルパカの毛は多様な色があるのですが、白以外の毛糸は色に染まりにくいということで、有色の品種はその個体が減り、絶滅も危惧されているようです。
無加工のその毛質は油分をしっかり含み、今まで体感したことのないような、ぬめりと滑らかさのある生地となっています。
こういったものを大切に大切に手入れをしながら、人生の中で愛用していきたいです。
そしていつかは親から子へと受け継いでもらえたら素敵ですね。
セーターと合わせて、ぜひ体感してみて欲しいです。
じつはこちらのブランド(ちなみにレ ラシーヌ ドゥ シエルと読みます)、インポーターさん側の事情により、今回が最初で最後の仕入れとなります。
今後、国内入荷の目途は立っていないみたいなので、非常に残念、惜しい存在です、、。
今後またどこかで出逢えることを願いつつ、一着一着大切に渡していきますね。