被服文化物展示室

2017年11月20日

 
こんにちは。
 
23日から始まるMITTAN展が近づいて参りました。
 
先の展示のご案内の最後で少しだけ匂わせていましたが、今回MITTANの展示に付随して、店主自身がライフワークとしてこつこつ蒐集している各国の民族服や繊維・被服文化に纏わる民具や各種資料、三谷さん自身からもサンプル資料として手元にある世界各国の古裂、さらに繋がりのある古物商や蒐集家の方々にご協力いただき、それぞれのコレクションから選りすぐりの貴重な襤褸や古裂をお借りして、展示する予定です。
 
 

 

 

 

 

 
何故このような展示をしようと考えたのか。
 
それはもちろんMITTANブランドそのものが”現代の民族服”と謳っていることに端を発しているのですが、そのブランドフィロソフィーの意味することは、過去より人類史の中で連綿と続く”被服文化の歴史との確かな繋がり”ではないかと思い至ったからです。
 
 
衣服というものを人が着るという行為は、様々な理由を孕んでいます。
包括的にファッション文化と呼ぶ価値観であったり、様々な土地の季節気候の中で快適に過ごすための一道具として、また国や民族をはじめとした大小様々なコミュニティーや、その内での地位や階級、世代を分ける目印としてのものだったり。
 
MITTANは、そういった、衣服が生まれ、進化(または退化)してきた過程をこれから先の未来へ繋げていく役割も担っているものだと私は感じています。
 
 
今この現代に生まれたMITTANという被服文化の一点に繋がる過去を紐解くことで、これから先、私たちがどのような文化を残し、また新しく作り上げていくかを考えてみる小さなきっかけになれればと考えています。
 
 

 

 

 

 
 
また、これらの多くは過去の遺物ですが、未来の姿であると言えます。
 
 
擦り切れ、破れ、穴の開いた部位を繕い、染め直す。切れ端を繋ぎ合わせ別の用途に利用する。
 
作り手による補修が可能なMITTANの衣服は、長く愛用していくことで同様の姿に変化していきます。
実際、私自身が着ているものは染め直しや己で施した刺し子での補修が重なり、少しづつそういったものに近づいていっている気がします。
 
今回集められたものたちを眺めながら、今、着ている衣服の行く先は、こういった大事に着繋いでいった跡を残すものになれたらと感じています。
 
 

 


 

 

 
 
 
過去を知り、今を考え、この先を想う。
すべてが繋がる展示になれたらと思います。
 
 
なにやら小難しいことを書き連ねましたが、単純に、純粋にMITTTANの衣服と併せて楽しんでもらえたら嬉しいです。
 
 
今回こうやっていろいろサンプル集めに奔走しながら、つくづく周りにはなかなかな変わり者がいらっしゃると感じました。
スペースの関係上展示物の数は多くないですが、内容的には博物館、民藝館級のものが並びます。
愉しみなのは店主だけではないはずです。
是非、脚を運んでみてください。
 
それでは、また23日からお会いしましょう。