まずはお礼と復刻別注企画とその通販について

2019年5月14日

5/11から始まったMITTAN展。
 

初日と二日目はデザイナーの三谷さんも在店していただきましたが、私たちも三谷さんも驚くほどの前のめりな来店者の数に、嬉しい悲鳴をあげました。
こんなにも、MITTANというブランドとその衣服は信頼と愛情を寄せていただいているのだと、感激しました。ありがとうございます。
 
 

さて、再生と還元がサブテーマの今回は、MITTANがブランドの取り組みとしておこなっている衣服補修の促進の為にガラ紡の残布を利用した小敷(俗にゆうコースター)をご用意し、これまでの依頼者様、新たな依頼者様へのノベルティとしてプレゼントしています。

 

 

 

 
 
オーガニックコットンの落ちわたを利用したガラ紡の糸に絹を打ち込んだMITTANオリジナルの生地を三枚重ね、補強の為に無作為にステッチで叩いてもらいました。同じものはひとつとしてありません。
 
今回は、生成に加え、何色か天然染色を施したものも用意しました。
茶色はMIROKUCOFFEEさんに珈琲染めをしてもらいました。
どうしても出てしまう廃棄豆を利用し、彼の淹れてくれる珈琲のように味わい深い色に染め上げてもらいました。
 
あとの二色は桑の葉染めとベンガラ×藍(藍錠)の染めです。お店の裏で染めました。
桑の葉は、だいぶ前に桑茶用に手に入れていたのにすっかり飲み忘れていたものを使いました。綺麗なこがね色に染まるのですね。よかったよかった。
 
 
面も側面もふくふくで水を良く吸ってくれます。サイドのふさふさは店主嫁がひたすらに針金一本を駆使し、丁寧に仕上げています。
三谷さんに、うちではこんなに綺麗にできないと褒めてもらって(三谷さん優しいなぁ)、ご満悦そうでした。よかったよかった。
 

 
 
MITTANとAUTHORとMIROKUCOFFEEで作業を手分けして制作したコースター。
地味で、小さな存在ですが、お気に召していただけると嬉しいです。もちろんこちらも補修、染め直し可能ですので、ガシガシ使ってやってください。
 
 

 
 
 
そして、もうひとつのお愉しみは、過去にAUHTORからの我儘を三谷さんに聞いていただき、生まれた別注企画品の復刻です。
 
 
2015年のAUTHOR一周年企画で特別に極少数だけ制作していただいた高密度東袋
 
2017年冬のMITTAN展に合わせて定番のラオスコットンロングシャツをベースに制作していただいた別注型
 
 
どちらも好評を博し、その後も事あるごとに、もう作らないのですか?というお声をいただいておりました。ということで、”再生”の名のもとに復刻します。
 
 
復刻といっても、実は双方、当時とまったく同じ色の生地の用意が難しいとのことで、
それぞれが別色の二代目となります。でもせっかくならその方がおもしろいですよね。
 
 

 

 

 

 

 
 
 
東袋の方は、同様の生地(高密度のコットンタイプライターに樹脂を浸透させてコーティングさせてある特殊素材。高い撥水性があります)は、前回の松煙染色がもう制作不可ということで、濃黒色となります。このバック、というよりは布袋は組み立てに際しての補強ステッチの入れ方が非常にMITTAN的で魅力的なので、せっかくならと縫い糸を前回同様に灰色にしていただきました。
 
東袋や角袋を元にした、袈裟懸けも出来る大きな布袋をMITTAN流に作ってくださいと、今思うとなんとも無礼で不躾で、贅沢な依頼をしたものでした。あの頃の自分が怖い。
三谷さんは嫌な顔ひとつせず(メールと電話のやりとりでしたのでわかりませんが、、)、「一周年ですから」と快く引き受けてくださいました。ありがとうございました。
 
幾つかの形や、素材をご提案いただきましたが最終的には大きさを考え、軽さや強度、あまり古風でありがちなイメージにならないようにと提案していただいた今回の生地は彫刻のようなかりっとした皺の入り方がかっこよく気に入っています。
 
最初は驚くほどパリパリに立つ生地感ですが、使うごとにくったりしなやかになっていきます。
結び方も長さも、使っていただく方の使い勝手や好みで自由に調整可能です。生地が馴染むほどに、まとめ方や結び方が色々試しやすくなってきます。(一説には20パターン位の結び方が存在すると、まことしやかに囁かれています) 

店頭に、店主が四年間ほぼ毎日使っている初代東袋を掛けてあるので、参考にしてみてください。
 

※ちなみに店主の結び方はパターン5です
 
 
 
そしてもう一つの別注型の羽織。
 
定番品番のラオスコットンロングシャツの生地と同様の、ラオスのビレッジで手紡ぎ手織りで製織されるふかふかの生地を使っています。
 

 
 
こちらの別注部位はアシンメトリーなパターンということと、使用している色目です。
 
このような懸け衣という衣服の形態はアジア圏で広くみられるものですが、比較的どの地域でも左の合わせが上にくる着用方法が多く(理由は諸説あり、それも面白いです。聞いてください。)、その点を考慮して、パターン自体を最初からそのような前合わせに適したものとして、別注の元となった型より変化させてもらいました。腰紐がついているので、モンゴルのデールなどのように襟元まで合わせを深く被せて着ることが出来ます。強風の日にいいです。
また、生地の分量を増やしたことで、全体のバランスを考えて通常より15cmほど長くしてあります。
 
色は性差の出にくい色にしたくて、定番では使われていない淡い色を選択しました。
前回と全く同じ染色のものが無かったのですが、近い色を探していただきました。(前回はイモ、今回はテン)
また淡い色目は、ここから長く着ていく中で、それぞれが好みの色味に変化させていけると思います。
汚れや日焼けを恐れずガシガシ着てやってください。
 

サイズは1、2、3の展開
 
 
ちなみにこちらも、店主私物の初代を店頭に掛けてあるか着ているので、一年半着込んで、ふわふわくったりとした生地感を感じてみてください。
 

 

 
 
 
それでは最後に今回の別注企画品の通販に関して。
 
すでに会期が始まる前、また始まってからも、何件かお問合せをいただいております。
皆様には一様に、会期終了後に在庫がありましたら、お問合せ順にご案内致します、とお伝えしております。
 
 
普段からMITTANの問い合わせは多いのですが、基本的にMITTAN取り扱い店舗様がある県にお住いの方にはやんごとなき理由がない限りは、その土地で扱うお店さんで選んでくださいと、
お断りすることが多いです。じゃないと、お店で実際に試して、体感して選ぶ価値が失われてしまいますし、いつもお店に来てくださる方々が見るより先に無くなってしまうからです。
 
ただ、今回の品に関しては、AUTHORでしか選ぶことができないものなので、この会期以降は、せっかくなら様々な遠方の方にも使ってもらえたらいいなぁって思い、出来るだけご要望に応えたいと考えています。逆にいつもAUTHORに来てくれている皆様にとってはライバルが増えることになってしまいますが、そこは地の利を生かして、是非、前のめりに着に来てくださいね。

 
 
 
さて、今回の展示も、前半を終えようとしています。
多くはないですが、見どころのある追加品があったり、逆に他のMITTAN取り扱い店舗様からのフォロー依頼で、どんどん旅立ってしまうものも多いです。
次の開催は早くてもまた一年半後。是非、この機会に。
 
 

 
 
 
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